虫歯

正露丸と虫歯

虫歯
正露丸と虫歯

正露丸は、
虫歯の痛みが減る「虫歯痛の薬」と
下痢などの「胃腸薬」です。

目次

前置き

正露丸は「虫歯の薬」と勘違いしないで下さい
正露丸を歯に詰めると虫歯が治るのか?

本題

正露丸、虫歯への使い方
なぜ、正露丸は「虫歯痛」の薬なのか?

その他

正露丸を歯痛で飲むのは、間違い
正露丸糖衣は、歯に詰める事ができない

正露丸や消毒剤で、虫歯は止まるか?

歯科用ホルマリンクレゾールは有名な薬だった話


正露丸は「虫歯の薬」と勘違いしないで下さい

正露丸は、『虫歯痛』の薬です。

「虫歯の進行止め」
「虫歯の修復」
「歯の質の強化」
などの効果はありません。

正露丸の使い方を間違わない様に、
以下を、お読み下さい。


正露丸を歯に詰めると虫歯が治るのか?

正露丸を虫歯の穴に詰める処置をしたとします

正露丸を歯に詰めると虫歯が治るのか?_虫歯の画像

虫歯の穴がある状態です

根尖性歯周炎ではなく、
化膿を伴う歯髄炎でもなく、
軟化象牙質を介して痛みが出ている虫歯
です。

正露丸を歯に詰めると虫歯が治るのか?_正露丸の画像

正露丸をピンセットでつかんだところです。
少し軟かいですね。

正露丸を歯に詰めると虫歯が治るのか?_正露丸を歯に詰める画像

歯に密着する様、虫歯の穴を清掃し、乾燥。
空洞がない様に、歯質に密着させます。

この穴で、正露丸1/3くらいを詰めました。

正露丸を歯に詰めると虫歯が治るのか?_正露丸を歯に詰めた画像

外側も、歯の形に整えたとしましょう。

これで、そのままにしていて、
虫歯が治ると言えますか?

食べれば、
虫歯の穴に詰めた正露丸は、
柔らかくなり、形が崩れ、
1日もすれば、なくなるでしょう。

だから、
正露丸を歯に詰めると、
虫歯が治る様な事はありません。


正露丸、虫歯への使い方

『虫歯が痛い時』、
正露丸を、虫歯の穴に
適当量を詰める。

適当量とは、
虫歯の穴が大きければ、
正露丸一個かもしれないし、
虫歯の穴が小さければ、
正露丸半分かもしれません。

これが
正露丸の虫歯への使い方です。

正露丸を、歯に詰めると、
臭いし、
刺激のある味がしますが、
我慢します。

しばらくすると、
グアヤコールやフェノールが、
歯に染み込み、
歯痛が減ってくるでしょう。


なぜ、正露丸は「虫歯痛」の薬なのか?

正露丸の成分、効果

日局木(もく)クレオソート:400mg
日局アセンヤク末:200mg
日局オウバク末:300mg
日局カンゾウ末:150mg
陳皮末:300mg

以上の様に、
正露丸には、
鎮静剤、消毒剤
胃腸薬
が入っている様です。

このうち、
木クレオソートの鎮静作用が、
虫歯痛に効果があります。

木クレオソートの成分

木クレオソートは、
ブナやマツなどを乾留して作られます。

グアヤコール
4-メチルグアヤコール(クレオソール)
4-エチルグアヤコール
フェノール
p-クレゾール(cresol)
o-クレゾール
などを含むそうです。

以下、
グアヤコールやフェノール、クレゾール
を使った薬をあげてみます。

グアヤコール

歯科用や、正露丸に使われています。

クレオドン
100ml中に、グアヤコール100ml
う窩、根管の消毒
歯髄炎、根尖性歯周炎の鎮痛鎮静
副作用
過敏症状

フェノール

液状フェノール
成分
フェノール88%
手指・皮膚の消毒:フェノール1.5~2%溶液を用いる
2.医療機器、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒:フェノール2~5%溶液を用いる
3.排泄物の消毒:フェノール3~5%溶液を用いる
4.痒疹(小児ストロフルスを含む)、蕁麻疹、虫さされの鎮痒
副作用
過敏症、発疹

歯科用フェノールカンフル
成 分
100g中
フェノール 35g
d l -カンフル 65g
う窩、根管の消毒
歯髄炎の鎮痛鎮静
副作用
過敏症状

クレゾール

クレゾール石鹸液
1ml中、日局クレゾール0.5ml
手指・創傷面の殺菌・消毒
便所、便器、ごみ箱、たんつぼ、浄化そう等、疾病予防のために必要と思われる場所の殺菌・消毒
副作用
過敏症状、紅斑

歯科用ホルマリンクレゾール
100mL中
ホルマリン 40mL
クレゾール 40mL
+エタノール
根管の消毒
副作用
ショック、過敏症

アセンヤク(阿仙薬)

アカネ科のガンビールノキのエキス
効能。止瀉、止血、化痰
種々の出血や下痢、口腔清涼剤などに使われるそうです。

オウバク(黄柏)

ミカン科の樹皮を乾燥したもの。
効能。消炎、健胃、清熱、解毒
下痢、腹痛、黄疸、湿疹、腫れ物などに使われるそうです。

カンゾウ(甘草)

マメ科のカンゾウの根を乾燥したもの。
効能。健胃、鎮痛、鎮痙、去痰
腹痛、下痢、動悸、腫れ物などに使われるそうです。

チンピ(陳皮)

ミカン科の果皮を乾燥したもの。
効能。健胃、去痰、理気の効能
消化不良、食欲不振などの胃部不快感に使われるそうです。

アセンヤク、オウバク、カンゾウ、チンピは、
「漢方薬・生薬大辞典」
を参照しました。

なぜ、正露丸は「虫歯痛」の薬なのか?答え

正露丸の主成分は
木クレオソート。

木クレオソート中の
グアヤコール、フェノールは、
消毒、鎮痛作用を示す。

だから、
正露丸は、
対症療法的な、
虫歯痛をやわらげる薬。

歯痛の時に、
正露丸を歯に詰めると、
歯痛が減るかもしれません。


正露丸を歯痛で飲むのは、間違い

歯痛の時に、
正露丸を飲むのは、
ぜんぜん効果はありません。

グアヤコールやフェノールは、
歯痛がある虫歯の神経に、
直接しみ込んで、
鎮痛作用が発揮されます。

正露丸のサイトによると、
フェノールなどは、
胃で多くが吸収され、
腸に入るフェノールは少ないそうです。

歯痛で、正露丸を飲むと
多くのフェノールが
胃から吸収されます。

だからと言って、
吸収されたフェノールが、
血液を介して、
歯痛の歯に届き、
鎮痛効果が表れる事はありません。

正露丸を歯痛で飲むのはやめましょう。


正露丸糖衣は、歯に詰める事ができない

糖衣というのは、
柔らかい正露丸を、
糖をコーティングして、
飲みやすくしたものです。

卵の殻の様に、
硬めの殻が、
正露丸を覆っています。

簡単に、
虫歯に詰めるわけにはいきません。

虫歯に詰めるなら、
普通の正露丸にしましょう。


正露丸や消毒剤で、虫歯は止まるか?

消毒剤の分類

アルコール系
エタノール
イソプロパノール
エタノール・イソプロパノール配合製剤

塩素系
次亜塩素酸ナトリウム

酸化剤系
オキシドール
過酢酸

ヨウ素系
ポビドンヨード
ヨードチンキ

フェノール系
フェノール
クレゾール石ケン液

アルデヒド系
グルタラール
フタラール
ホルマリン

第四級アンモニウム塩系
ベンザルコニウム塩化物
ベンゼトニウム塩化物

両性界面活性剤系
アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩

ビグアナイド系
クロルヘキシジングルコン酸塩

色素系
アクリノール水和物

消毒剤の作用

これらの消毒剤の作用は、
収斂作用、
タンパク凝固、
タンパク融解
などがあるでしょう。

しかし、
フェノール以外は、
鎮静効果はないため、
虫歯痛の薬にはなりません。

虫歯の進行の抑制と、消毒剤

昔、
虫歯の穴にいる虫歯菌を消毒して、
虫歯の進行を止める
という単純な試みは、
何度もされてきたでしょう。

現在、
虫歯の進行抑制の薬は、
「サホライド」だけです。

サホライドの成分は、
フッ化ジアンミン銀です。

歯医者で、
虫歯に塗るだけで簡単ですが、
塗った場所が黒くなる欠点がある
という薬です。

今のところ、
サホライド以外で、
虫歯の進行を抑制する
薬はありません。

正露丸では、
虫歯の進行を抑制することはできません。


正露丸は、臭い

正露丸と虫歯_正露丸は臭い

正露丸は、パックを開けると、
フェノールの臭いがとても臭いです。

ビニール袋に入れても、
まだ臭いです。

ビニール袋を二重にすると、
やっと、臭くなくなりました。

正露丸が臭いか?臭くないか?
は、個人によって感じ方が違うでしょう。

正露丸はいい匂いという方もいるかもしれません。

化学物質を避けたいという人には、
正露丸は、とても臭いです。


歯科用ホルマリンクレゾールは有名な薬だった話

ホルマリンクレゾールの臭いは、
よく言う「歯医者の臭い」です。

正露丸の臭いと、似ていませんか?

ホルマリンクレゾールは、
略して
FC(エフシー)と、
呼ばれていました。

歯科では、
根管治療で有名だった薬です。

なぜ、有名だったかと言うと。

1、神経を取った歯の根管は、
空洞になります。
この空洞を、気化したホルマリンで消毒する。

2、根尖歯周組織から、滲出液(リンパ液)が出て、根管に入ってきます。
ホルマリンクレゾールは、
滲出液(リンパ液)に触れると、凝固物を作る。
滲出液は、根の先の凝固物でせき止められ、
根管に入ってこなくなる。

3、乾燥、消毒しやすくなる。

4、根管に滲出液が入ってこないので、
根管充填の際、
根管内にあるのは根管充填剤だけ。
根管充填が緊密にできる。

5、安い

という良さがあったので、
根管治療では、
もっとも一般的な薬でした。

当院でも、一時、使っていましたが、
●刺激臭が嫌だった

●一日中、
ホルマリンクレゾールの臭いの中にいるのは
体に悪いと思った

●歯医者の臭いがしない歯医者にしたかった

ため、
当院では、使わなくなりました。

その後、
ホルマリンの発がん性が問題になり、
歯科業界ても、使う量が少なくなった様です。

当院でも、
根管治療の際は、
ホルマリンクレゾールは使わず、
水酸化カルシウム製剤を使っています。

ホルマリンクレゾールは、
よく、歯科用薬瓶に入れて、
テーブルに置いてあります。

青色のビン
ホルマリンクレゾール
根管治療の時に、綿につけて、
根管に入れる。

茶色のビン
ヨード。
傷、抜歯後、抜糸前などの消毒

白色のビン
アルコール
根管や虫歯の穴の消毒、乾燥

この記事を書いた人亀田浩司

医)アルパーク歯科・矯正・栄養クリニック 理事長

自由診療専門歴約20年の歯科医。

矯正をして、自分が変わりたいと思っている人のサポートをしたいと思っている。

長崎大学歯学部卒業、広島大学歯学部付属病院をへて、アルパーク歯科開業。
より良い治療のため、自由診療専門に変更し、歯科医5人まで拡大。

その後、個人を大切にする内容に変え、現在、患者数1日2人にしている。

一般的な歯科治療に満足できない患者さんが来院している。

一般歯科の目標 「あなたもできる20年虫歯なし」
矯正歯科の目標 「歯並びも、人生も、良くなる矯正」

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