生体情報モニタ 導入しました
生体情報モニタ 日本光電ベッドサイドモニタPVM-4361を、導入しました。
biological-information-monitor
目次
血圧測定時に、腕がらく
トレンドグラフが記録によい
呼吸をモニターできる
デザインがシンプル
アルパーク歯科での使用目的
-
- 静脈内鎮静法をして、快適に治療を終えたい
- 鎮静下で、開口量を大きくしたい(特に大臼歯の根管治療)
静脈内鎮静法は、ほぼ毎日行っています。
(当院は、健康な方が多いため、有病者のモニター用途はほぼありません)
当院は、多くの方が静脈内鎮静法をご希望なさいます。
- 普通の方(歯科恐怖症でない方)
- 歯科恐怖症(歯医者が怖い)の方
両方の方が、静脈内鎮静法をご希望ですから、毎日利用しています。
生体情報モニタで、安心して、静脈内鎮静法が行えます。
ネット上では比較が難しかった
いろいろ検索しても、どれが良いか?分からないんです
購入時の条件は、
- 歯科で鎮静時の監視に使う
- 1人用
- データが印字できる
でした。
生体情報モニタの3タイプ
- 病院用 多数を監視できるタイプ
- クリニックや歯科用の 単体のモニタ
- さらに簡易なモニタ 心電図がなく、血圧計とパルスオキシメーターのモニタ
比較が難しかったわけ
- メーカーも6社位あり、多数のモデルがある
- メーカーのサイトは、機器の特徴はあるが、操作など詳説されていない。
- ユーザー側の、インプレッションやレビューもない。
- 呼び方も多数あった
いろんな呼び方
- ベッドサイドモニタ
- 生体モニタ
- 生体情報モニタ
- バイタルサインモニタ
- 心電図モニタ
などと呼ばれていました。
名前によって、検索される情報が多少違いました。
デモ機を借りて、初めて分かった
結局、メーカーさんに、使用目的(歯科の鎮静)を伝え、2社にデモ機をお借りして良い方にしました。
この生体情報モニタが良かった点は4つでした。
- 血圧測定時に、腕がらく。
- トレンドグラフで、数値の経時的変化が直感的に分かる。(メーカーによりデザインが違う)
- 呼吸をモニターできる。(心電図があればどのモニタでもできる たぶん)
- デザインがシンプル。(好みによる)
血圧測定時に、腕がらく
測定時間が短い
普通の血圧測定と比べ、半分強の時間で済みます。
- 患者側のメリット 腕がらく
- 術者側のメリット 少し早く血圧が分かる
腕の締めつけ時間が短く、圧倒的に「腕がらく」。
この点で、この生体情報モニタを選んだと言ってもいいです。
歯科治療は、救急病院での命に関わる様な治療ではないから、快適さは大切です。
また、急変時には、少しでも早く血圧が分かるのは、助かるかもしれません。
普通の血圧測定
NIBP
非観血的動脈圧測定(Non-invasive Blood Pressure)といって、早く圧をかけ、ゆっくり圧を抜きながら測定。
日本光電の血圧測定
iNIBP
直線加圧測定方式の非観血血圧測定で、ゆっくり加圧し、最高血圧で止め、圧を抜く。
Iは、Inflationだそうです。
トレンドグラフが記録によい
通常のディスプレイ

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モニターには、数値、10秒程度の波形が表示され、
ピッピッと、心臓の拍動の同期音が鳴ります。
音は音量を調整できたり、消すこともできます。
同期音は、歯科治療時に患者さんが緊張するかなと思いましたが、
患者さんは、別に気にならないそうです。
数字 (上から)
- HR 心拍数
- NIBP 血圧 平均血圧
- SpO2 酸素飽和度
- IMP-RR インピーダンス呼吸測定値
です。
波形 (上から)
- 心電図
- 脈波
- 呼吸
です。
脈波は、
心臓が血液を送り出した時、血管が膨らむのを検知して行うものです。
パルスオキシメーターで、酸素飽和度と共に測定されます。
基本、心拍数と同じリズムです。
違うときは、センサーがずれている、血圧計と同じ腕につけている、血管系の問題などがある、などかもしれません。
数値拡大表示

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数値を拡大表示した画面です。
トレンドグラフ1

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トレンドグラフ①のデフォルトの設定
心拍数(上)、血圧(下)の経時的変化が分かります。
トレンドグラフ2

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トレンドグラフ② デフォルト
グラフが大きめで、経時的変化が分かりやすいです。
記録として印字するのに便利です。
この場合は、心拍数と血圧が表示されています。
トレンドグラフを表示させる時は、心電図は、いつもモニター上部に表示されているし、音で確認できますから、トレンドグラフには、血圧、平均血圧、酸素飽和度、呼吸などを表示させてもいいと思います。
注意点
- 血圧は、その時の血圧ではなく、数分おき。(当たり前ですが)
- 酸素飽和度は、呼吸が止まって1分後位に変化する。
- 呼吸のグラフ表示が見えなくなる。
くらいでしょうか?
当院では、時々、このトレンドグラフ②を表示していることもあります。
患者さんのお腹の動き = 呼吸を見ている事もあります。
横軸は、1時間、2時間などに設定できます。
欠点は、表示にタイムラグがあること。
表示の遅延、これがなければ、便利なんですけどねー。
呼吸をモニターできる
鎮静時には、呼吸を監視しておきたい
- 鎮静法のご希望が多い
- 歯科では、口 = 気道を扱う
- 鎮静剤に呼吸抑制がある
- エプロンなどで呼吸が分かりにくい
からです。
できればアラームが鳴る様にしておきたいです。
呼吸をより良く把握するためには、
体を覆うような大きなドレープ、紙エプロンはさけ、
小さなエプロン、タオルのように体の線が分かりやすいものがいいでしょう。
心電図がモニターについていれば、インピーダンス呼吸測定ができます。
安いモニタは、血圧とSpO2だけだったりします。
鎮静しているのに呼吸は監視しないのですか?と問われないように、生体情報モニタは、ケチらない方がいいと思いました。
電極の貼付
歯科で、電極を胸に貼るのは難しいと思いがちですが、問題ありません。
心電図の電極を貼る場所は、左右鎖骨下、左肋骨下部の3点。
女性スタッフに頼み、カーテンを閉めて、電極を貼ってもらっています。
左右の鎖骨下
簡単です。
首元から、簡単に電極を貼ってもらえて、コードも接続できます。
タートルネックのセーターは難しいかもしれませんから、
歯科に来るときは、避けてもらいます。
左脇腹
コードは、首から入れるか、ベルトの所から入れれば問題ありません。
簡易的な安いモニタでは、心電図がなく、血圧とパルスオキシメーターの2つの機能の場合があります。
うちでは、心電図がないタイプは、呼吸がモニターできないので、買いませんでした。
デザインがシンプル

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デザインは、クリニックの良い印象にもつながりますから、大切です。
昔のモニタの様に、スイッチがゴチャゴチャしてないので、スッキリしています。

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ハンドルが360度あり、どこからでもつかめるらしい。
引っ張り回すのに、制限がありません。

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バスケットが深目で、仕切り板あり。
これは良かったです。
乱雑になりがちなコード類が、整頓できます。
見た目も悪くなりにくい。

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スタンドの直径が小さく、場所を取らない。42センチ。
小さいけど、ぐらつかない。
うちの様に小さいクリニックには、コンパクトさは大切です。
静脈内鎮静法の手順
治療時間は、4時間。
前半2時間
鎮静法は、前半に行うことにしています。
お車でご来院の方が多いから、覚醒の時間を確保するためです。
静脈内鎮静法のご感想は、
- 気持ちよかった。
- 楽でした。
が一番多いお答えです。
前半2時間
心電図電極は、左右鎖骨の下、左脇腹。
カーテンを閉めて、女性スタッフが、電極の設置とコードの接続をお手伝いします。
横になります。
左腕にルートを取るとすると、
左にパルスオキシメーターを設置。
右に血圧計。
5分毎に、血圧を測定して、バイタルサインを記録していきます。
歯の表面麻酔をつけます。
左腕に、留置針を設置し、維持液を点滴します。
三方活栓から、ミダゾラム1mgをゆっくり入れます。
その後、様子を見ながら、ミダゾラムの量を調整します。
歯の麻酔を開始します。
数分後、開口器、排唾管、ラバーダムをつけ、歯の治療を始めます。
約2時間後、自然に目が覚めます。
または、拮抗剤を投与します。
休憩
前半2時間が終わると、トイレ休憩10分。
生体モニターの使用を終える場合は、血圧計、パルスオキシメーターは外し、心電図の端子は女性スタッフがお手伝いして外します。
後半も使う場合は、
心電図の端子は、長いコードの途中にあるコネクターを外し、コネクターから先の部分は、ポケットに入れる、肩にかけテープで止めるなどしておきます。
点滴はつながったまま、点滴スタンドをコロコロ転がしながら、トイレです。
後半2時間
歯の治療、鎮静の覚醒と、他の点滴の時間にしています。
他の点滴とは、
- 高濃度ビタミンC点滴
- ビタミンB総合点滴
- グルタチオン点滴
- 美肌点滴
などです。
お好きな点滴を選んでいただきます。
横になり、
維持液から、ご希望の点滴につなぎ替えます。
開口器、排唾管、ラバーダムをつけ、歯の治療を開始します。
点滴は、終わった段階で、外します。
治療が終わると、モニターを外し、覚醒を確認して、終了となります。
これが、生体情報モニタ使用のタイムスケジュールです。
この記事を書いた人亀田浩司

医)アルパーク歯科・矯正・栄養クリニック 理事長
自由診療専門歴約20年の歯科医。
矯正をして、自分が変わりたいと思っている人のサポートをしたいと思っている。
長崎大学歯学部卒業、広島大学歯学部付属病院をへて、アルパーク歯科開業。
より良い治療のため、自由診療専門に変更し、歯科医5人まで拡大。
その後、個人を大切にする内容に変え、現在、患者数1日2人にしている。
一般的な歯科治療に満足できない患者さんが来院している。
一般歯科の目標 「あなたもできる20年虫歯なし」
矯正歯科の目標 「歯並びも、人生も、良くなる矯正」
【受付時間】9:00~18:00
【休診日】不定休