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虫歯で神経を抜く、と言われた方へ

虫歯で神経を抜く、と言われた方へ「神経を抜かないといけない」と言われた方が、当院によくお越しになります。
歯医者さんは、「神経を抜くのは大したことじゃない」と言ったそうです。
患者さんは、ビックリして、当院を見つけた。
歯医者さんは、人の歯の神経を抜くことが日常業務だから、感覚が麻痺しているのかもしれません。
歯の神経を抜く前に、必要な知識を得てください。

目次

だから歯の神経は、抜かない方がいい

歯がもろく、割れやすく、弱くなる

神経を抜く時間と費用が必要

冠をかぶせる事が多くなる

冠をかぶせたら虫歯にならないと、勘違いしやすい

歯の神経を抜いたのに、痛いことがある

根管治療のやり直しになると、冠の作り替えが必要になる

歯が変色することがある

 

当院では、虫歯が痛くないのに、神経を抜くことはほぼない

虫歯が痛くなったら、神経を抜くしかないと言われた

20代や10代で歯の神経を抜くことになったら

前歯の神経を抜く前に

奥歯の神経を抜く前に

冷たいものがしみるとき

熱いものがしみるとき

甘いものがしみるとき

だから歯の神経は、抜かない方がいい

歯がもろく、割れやすく、弱くなる

割れた歯、イラスト

Cracked tooth, splitted. Dental 3D illustration

歯の神経を抜くと、歯がもろくなる、割れやすく、弱くなることは、よく言われています。

実際、歯を失う原因のうち、歯が割れた(破折)は、17.8%です。

歯周病(37.1%)、う蝕(29.2%)、破折(17.8%)、その他(7.6%)、埋伏(5.0%)、矯正(1.9%)

『第2回 永久歯の抜歯原因調査報告書 平成30(2018)年11月 公益財団法人 8020推進財団』 から

原因① 弾力が半減する

神経を抜いた歯(無随歯)は、硬さは同等だけど、弾性が半分くらいになる、との報告もあります。

原因② 削る量が多い
歯髄腔へのアクセスの穴

歯髄腔へのアクセスの穴

歯を削る量が多くなり、歯が弱くなる。
歯の神経にアクセスするだけで、噛み合わせの面の真ん中に、直径5mmくらいの大穴が開きます。
さらに、冠にするため、歯の外側を削ります。
すると、歯は、厚さ1-2mmの壁しか残らなくなり、弱くなりますよね。

原因③ 歯ぎしり

薄くなった歯に、歯ぎしりの力がかかると、割れやすい。
歯が薄くなるから、睡眠中の歯ぎしり、食いしばりの力に、弱くなる。
歯ぎしりの力は、多い方で、100kgを超えるそうです。

歯の神経を抜くとき、痛いことが多い

歯の神経を抜くときは、痛いことが多い

歯の神経を抜くときは、痛いことが多い

治療が痛い事が多いため、歯の神経を抜く事は、軽く考えない方がいいでしょう。

  • 歯の神経を抜くときが痛い。
  • 治療で使うリーマーという器具が痛い。
  • 仮の蓋が痛い。
  • 最後につめる薬が痛い。

など、治療が痛い事が多いらしいのです。

神経を抜く時間と費用が必要

神経を抜く時間と費用が必要

神経を抜く時間と費用が必要

神経を抜く事で、何回も歯医者さんに通うのは、大変ですよね。

  • 覆髄で、歯の神経を守るために、歯医者に通う。
  • 神経を抜く治療のために、歯医者に通う。

どちらがいいですか?

神経を抜いて、つめる治療は、最低3回はかかる事が多いでしょう。
一回では終わりません。

  • 神経を取る
  • 根をつめる
  • 土台(コア)を作る
  • 冠をかぶせる。

など、早くて3回は、必要な事が多いと思われます。

冠をかぶせる事が多くなる

冠をかぶせることが多くなる

冠をかぶせることが多くなる

神経を抜いた後の歯の詰め物は、

  • 部分的なインレー、
  • 全部かぶせる冠(クラウン)、

の2種類である事が多いでしょう。

⚫︎インレーで残っている歯の部分は、外側と内側。
この部分が折れやすいのです。
折れた時の歯の割れ方によって、抜歯になる事があります。

⚫︎冠(クラウン)で残っている歯の部分は、内部の薄い壁状の部分だけです。
インレーでの折れを防ぐために、冠(クラウン)を使います。
外側から囲んで、割れにくく、折れにくくするためです。
しかし、削る量が多いのは確かです。

冠をかぶせたら虫歯にならないと、勘違いしやすい

冠をかぶせたら虫歯にならないと、勘違いしやすい

冠をかぶせたら虫歯にならないと、勘違いしやすい

「冠をかぶせたら虫歯にならない。」は間違いです。
昔は冠をかぶせたら虫歯にならないと思っていた人も多く、
また、歯医者さんもその様に言っていたこともあるようでした。
しかし、残っている歯の部分や、冠と根の継ぎ目から、虫歯になる可能性があります。
冠は、歯にぴったりフィットし、フロスが引っかからない物にしてもらって下さい。
または、最初から、自費専門の歯医者さんで、良い物を作って、長く使いましょう。

歯の神経を抜いたのに、痛いことがある

神経を抜いたのに、痛いことがある

神経を抜いたのに、痛いことがある

歯の神経を抜いたのに、歯が痛い事があります。
歯の根の先に膿がたまったのが、原因である事が多いと思われます。

なぜ根の先に膿がたまるのか?

  • 神経を抜く治療がうまくいってない。
  • 根の中に細菌が残っている
  • 根管充填が短く、その隙間に細菌がいる
  • 根管拡大が、長すぎて、根を突き破っている
  • 根の内側から外側に向けて、穴が開いた

こんなエラーで、根の先に膿がたまり、歯を押さえたら痛い、噛んだら痛い、などが起こり得ます。

根管治療のやり直しになると、冠の作り替えが必要になる

根管治療のやり直しになると、冠の作り替えが必要になる

根管治療のやり直しになると、冠の作り替えが必要になる

根の先に膿がたまると、根管治療が必要になります。
根の中にアクセスするために、冠は壊して外す事になります。
根管治療の後、また、冠を作り直します。

ですから、難しい奥歯は、神経を抜く時は、
最初から、根管治療専門か自費専門などの、できるだけ良い歯医者さんで、治療を受けましょう。

歯が変色することがある

神経を抜くと、歯の色が変色することがある

神経を抜くと、歯の色が変色することがある

神経を抜いた歯は、茶色に変色しやすくなります。
前歯だと、とても目立ちます。

それを歯医者さんに言うと、冠をかぶせないと仕方ないと言われる事が多いかもしれません。
前歯だから、高価な冠を選ぶ事になるかも知れません。

最初から、上手な歯医者さんにかかりましょう。

当院では、虫歯が痛くないのに、神経を抜くことはほぼない

歯の神経を抜かない治療、覆髄法

歯の神経を抜かない治療、覆髄法

当院では、痛くない虫歯の、神経は抜かないようにしています。
多くの歯が、深い虫歯でも、覆髄という方法で、神経を抜かないで済んでいるからです。

一度、痛くなり、その後、痛みがなくなった歯は、神経が死んでいる事があります。
その時は、神経を取り、根の化膿を防ぐ必要があります。

⚫︎虫歯のとき

虫歯が大きい、虫歯が深い、と言われた時、神経は生きているけど、まだ痛くないなら、覆髄で、神経を抜かないで済む可能性が高まります。

  • 直接覆髄
  • 間接覆髄
  • IPC 斬間的間接覆髄

があります。

⚫︎神経を抜くようになる虫歯治療

虫歯が大きい時には、歯の内部は、硬い歯が柔らかくなっています。

乱暴に虫歯を取ると、神経が露出し、血が出ます。

こうなると、神経を抜く事になります。

⚫︎神経を残す虫歯治療

虫歯を取る時、奥の半分くらいを残して、覆髄の薬を入れて、数ヶ月から半年待ちます。

すると、奥の虫歯(軟化象牙質)は硬くなります。安心して残っている虫歯を取り除けます。

こうすると、痛くない虫歯で、歯の神経を抜くことが防げます。

虫歯が痛くなったら、神経を抜くしかないと言われた

抜いた歯髄の拡大

抜いた歯髄の拡大

これは、おおむね正しくて、
虫歯で歯が痛くなったら、神経を抜く事になります。
大人の神経は、一度、炎症を起こして痛くなったら、元に戻れません。
しかし、ご安心ください。
ひどく痛い虫歯の場合は、神経を抜くことで、歯を残せると思います。

痛くなったらというのは、
たまに痛いときがある位ではなく、
「何もしなくても痛くてたまらない」(自発痛)という状態です。

ですから、少しでも痛みを感じたら、
「何もしなくても痛くてたまらない」状態になる前に、
早めに虫歯治療をしましょう。

20代や10代で歯の神経を抜くことになったら

20代や10代で歯の神経を抜くことになったら

20代や10代で歯の神経を抜くことになったら

20代や10代で、歯の神経を抜くことになったんですか?
それは大変でしたね。
人生80年として、あと60年、70年、その歯を使えるのか?
という不安もあるかもしれませんね。

良かったかもしれませんよ。
同級生より、早く、歯を大事にする意識を持つことができたかもしれません。
今後、具体的に歯を大切にすることを学べたらいいですね。
なぜなら、歯の将来は、あなたご自身の今後の行動にかかっているから。

冠をかぶせたら虫歯にならないという事はありませんよ。ご注意くださいね。
ご自分の歯が虫歯になる方は、冠をかぶせても虫歯になりやすいでしょう。
ご自分の歯を長持ちさせられる人は、冠をかぶせても虫歯になりにくいでしょう。

あなたは、どちらになりたいでしょうか
歯を長持ちさせる方法は、

  • 歯ブラシとフロスをする。
  • 治療は、冠と歯の継ぎ目に、隙間がないように治療してくれる歯医者さんにかかる。
  • 治療後は、クリーニング(メンテナンス)に通う。

これらを使って、歯を長く使いましょう。

前歯の神経を抜く前に

特に、11番、21番という、上の真ん中の左右の前歯2本は、注意する必要があります。
11番、21番は、横に広く、神経も横に広くなっています。
歯の横を削りすぎると、容易に神経に達し(露髄)ます。
前歯の虫歯になりやすい所は、歯の横、歯と歯の間がです。
前歯の虫歯は、小さいうちに、早めに治療する必要があります。

奥歯の神経を抜く前に

奥歯の突きでている神経

奥歯の突きでている神経

気を付けないといけない歯は、大臼歯と、下の5番の、歯と歯の間の虫歯です。
これらの場所は、虫歯が神経に達しやすく、神経を抜くことになりやすい所です。
覆髄を日常的に行っている医院での治療がいいと思います。
どの場所が危険かよく知っていて、覆髄を工夫してくれるでしょう。

神経を抜く(抜髄)を日常的にしている医院で治療すると、簡単に神経を抜くことになると思います。
お気を付けください。

大臼歯の手前側

上のレントゲン写真の通り、神経が突き出ているのは、大臼歯の手前側です。
虫歯が容易に神経に達しやすいし、深く削ってはいけない場所です。
とにかく大臼歯は、歯と歯の間の虫歯に気を付けてください。

下の5番

下5番の後ろ側の虫歯が大きいときは、容易に神経に達しやすいと言えます。
下の5番は、神経の形が変わっています。
歯の神経から後ろ側に向けて、神経の角が伸びていることがあります。

ですから、
ここも、歯と歯の間の虫歯にならないという予防が最も大切です。

冷たいものがしみるとき

冷たいものがしみるとき

冷たいものがしみるとき

知覚過敏のとき

知覚過敏で、冷たいものがしみるとき、神経を抜くのは、対症療法に過ぎないので、お勧めしません。
冷たいものがしみる原因は、夜中の歯ぎしり、食いしばりです。
マウスピースをして寝る事をお勧めします。
歯に過大な力がかからなくなると、2週間くらいで歯はしみなくなります。

虫歯のとき

虫歯で、冷たいものがしみるときは、虫歯の治療をしましょう。
この時も、何もしなくても痛い(自発痛)状態でなければ、神経を抜く必要はありません。

熱いものがしみるとき

熱いものがしみるとき

熱いものがしみるとき

熱いものがしみるときも、すぐ神経を抜く必要はありません。

熱いものがしみる原因は、

  • 虫歯
  • 歯髄炎
  • 歯ぎしり、食いしばり

などがあります。

歯医者さんの中には、
「熱いものがしみる時は、歯髄炎だから神経を抜かないといけない」と、
一つの方法を押し通す人もいるようです。
これには賛成しかねます。
色んな原因があるからです。

歯に過大な力がかかると、

  • 冷たいものがしみる
  • 熱いものがしみる
  • 噛むと痛い
  • くさび状欠損ができる
  • 骨隆起ができる

などの可能性があるわけですから、
その他の可能性も考えてくれる歯医者さんにかかりましょう。

甘いものがしみるとき

甘いものがしみるとき

甘いものがしみるとき

甘いものがしみる時は、虫歯が多いと言われています。
自発痛(何もしなくても痛い)がなければ、
神経を抜かないで、虫歯治療ができると思います。

 

この記事を書いた人亀田浩司

医)アルパーク歯科・矯正・栄養クリニック 理事長

自由診療専門歴約20年の歯科医。

矯正をして、自分が変わりたいと思っている人のサポートをしたいと思っている。

長崎大学歯学部卒業、広島大学歯学部付属病院をへて、アルパーク歯科開業。
より良い治療のため、自由診療専門に変更し、歯科医5人まで拡大。

その後、個人を大切にする内容に変え、現在、患者数1日2人にしている。

一般的な歯科治療に満足できない患者さんが来院している。

一般歯科の目標 「あなたもできる20年虫歯なし」
矯正歯科の目標 「歯並びも、人生も、良くなる矯正」

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