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歯医者に行くとヘルペスになるとき

感染予防

歯医者に行くとヘルペスになるとき

結論

歯医者でヘルペスの症状が出たときは、初感染か、刺激による再発が考えられるでしょう。
未感染の方が、滅菌の不十分な歯医者に行くと、ヘルペスになることがあるかもしれません。

初感染では、特に咽頭炎のときは、食事の摂取が困難になるため、全身状態が不良となることがあります。
また、カポジ水痘様発疹症では、広範囲に水泡ができ、高熱がでたりして、大変です。

この様に、重症のヘルペスにはなりたくありませんよね。
ヘルペスは、色んな経路で感染しますから、歯医者だけというわけではありませんが、
滅菌の不十分な歯医者 をご参考になさって、歯医者でヘルペスにならないようになさってください。

目次

ヘルペスの感染と症状

ヘルペスの構造と滅菌

滅菌の不十分な歯医者

アルパーク歯科がハンドピースを滅菌できるのは患者数を絞っているから

ヘルペスの感染と症状

ヘルペスの感染と症状のイメージ画像

ヘルペスの感染と症状のイメージ画像

感染率

20歳代のヘルペス感染率は、35-40%程度。
年齢とともに感染率は上昇し、
60歳代以降は、60-80%です。

つまり、ドンドン感染が広がっているという事に見えます。

症状

口唇、顔面、性器、臀部などに、痛みを伴う小水疱ができるものです。

初感染

ヘルペスの初感染は、
小児は歯肉口内炎型で、口の中に口内炎ができるタイプで、
成人は咽頭扁桃炎型などで、喉に潰瘍ができ、飲食ができなくなるなど、症状が重い。

再発

再発は、すでに感染している方の再活性型は、
刺激が加わったとき(紫外線、レーザーなど)
免疫が低下したとき(風邪、疲れなど)に再発すると言われています。
再発の症状は軽く、口唇炎、口内炎などが多くなります。

感染のきっかけ

ヘルペスは、感染力が非常に強く、
症状が出ているときは、水ぶくれや潰瘍などの病変部に触ったり
症状がなくても、唾液や涙、性器の分泌液を介してや、
キスなどの直接接触
食器やタオルの共用
などで感染すると言われています。

ですから、ヘルペスになったとき、歯医者が関係していることも考えられるかもしれません。
歯医者のハンドピース、70%の歯医者が滅菌していないのですから。(2014年 国立感染症研究所の調査)
滅菌の不十分な歯医者 をごらんください。

ヘルペスの構造と滅菌

ヘルペスの構造と滅菌のイメージ画像

ヘルペスの構造と滅菌のイメージ画像

ヘルペスウイルスの構造

ヘルペスウイルスは、エンベロープウイルスで、
ウイルスの外側にエンベロープという脂質膜を持つタイプです。

仲間に、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、エイズウイルスがいます。
アルコールでエンベロープが破壊され、感染力を失います。

エンベロープウイルスに効果がある消毒剤など

滅菌     熱によるオートクレーブ
高水準消毒剤、グルタラール、フタラール、過酢酸、熱水消毒(ウォッシャーディスインフェクター80℃・10分)
中水準消毒剤、次亜塩素酸ナトリウム、エタノール、イソプロパノール、

などが、効果があります。

ポピドンヨードは、中水準消毒剤ですが、HBV、HCVには不十分のようです。

低水準消毒剤、クロルヘキシジン、ベンザルコニウム、両性界面活性剤は、効果が不十分です。

無菌性保証水準

滅菌と言うと、微生物を滅菌後、10マイナス6乗になる水準で、無菌性保証水準(SAL:Sterility Assurance Level)と呼びます。
滅菌後、微生物が1個生存する確率が、100万回に1回(100万分の1)以下というものです。
ウォッシャーディスインフェクターは10マイナス3乗だそうです。
ウォッシャーディスインフェクター後は、微生物が1個生存する確率が、1000回に1回以下と言えそうです。

滅菌の不十分な歯医者

歯医者の滅菌のイメージ画像

歯医者の滅菌のイメージ画像

ハンドピース滅菌していない歯医者 70%

歯医者のハンドピースは、約70%が滅菌されていないことが、2014年の国立感染症研究所の調査で分かりました。
2024年現在では、もう少し改善しているかもしれませんが。

この類の調査は、誰に調査するかで、数値が変わるのです。
歯医者さんに、ハンドピースを1回治療するごとに滅菌していますかと聞くと、「いいえ」とは答えにくいですから、実態より低めの数値がでる。
衛生士さんに同じ調査をすると、容赦なく答えますから、滅菌していない率は、歯医者の答えより高めになるようです。

この様に、滅菌が不十分な現状がありますから、
歯医者に行くとヘルペスになってもおかしくないかもしれません。

歯医者のハンドピースの汚れ

ハンドピースは、水のスプレーを噴射しながら、歯を削る道具です。
多くの方の歯茎からは、出血があります。ハンドピースには、血液や唾液が付着しているわけです。
ヘルペスウイルス、B型肝炎ウイルスなどが、付着していても不思議ではありません。

ハンドピースを滅菌できない理由は経済

ほとんどが経済的理由かもしれません。
保険の歯医者だと、沢山の患者さんの来院があります。
治療1回ごとにハンドピースを滅菌していたら、高価なハンドピースがたくさん必要です。
ハンドピースの値段は、1本10万~30万です。
特にタービンは壊れやすいため、さらに修理代がかかることになります。
ハンドピースを滅菌しなければ、この費用は節約できることになります。

ハンドピースを滅菌しないほかの理由は、滅菌の手間くらいですから、
やはり、経済的理由が大きいのではないでしょうか。

スポルディングの分類

私が疑問に思う事が、もう一つあります。
スポルディングの分類と、スタンダードプリコーションの不一致が見られること。
つまり、基準を勘違いして、
滅菌できる器具を、消毒で済ます歯医者さんがおられるようなのです。

●スタンダードプリコーション

全患者さんの、体液や排泄物を、感染の危険性があるとみなして、感染予防策を行いましょうと言うものです。
病院の衛生管理の大原則です。
1996年に米国疾病管理予防センター(CDC)が発表したものです。

●スポルディングの分類

1939年に、アメリカの学者スポルディング先生が提唱したもの。
全ての医療機器は必ずしも滅菌できないため、感染の危険を大まかに分けて消毒の基準を示しました。

大まかにいうと

  • クリティカル   血が付くとき       滅菌
  • セミクリティカル 粘膜、傷がある皮膚に接触 高水準消毒
  • ノンクリティカル 健康な皮膚に接触     中・低水準消毒

というものです。

歯科で、滅菌できる器具なのに、セミクリティカルに分類しているサイトが結構あるのです。
基本セット、ミラー、バキューム、印象用トレー、咬合紙ホルダー、ハンドピース、口角鉤などです。
基本セットやミラーなど、治療に使う器具は、唾液や血液がついています
ここで述べたように、ヘルペスは唾液で感染することもあるし、B型肝炎は血液が付いた器具などから感染します。
これらの器具を、スポルディングの分類に従って、消毒だけで済まします、とサイトに書いてあるのです。
私だったら、他の患者さんに使ったものを、消毒だけで私に使われたらイヤです。

アルパーク歯科でしたら、

  1. ウオッシャーディスインフェクターで、アルカリ下で熱水消毒
  2. すべての形状の器具が滅菌できるオートクレーブで滅菌

スポルディングの分類について、
詳細に述べておられるサイトがたくさんあります。
これらの器具を、スポルディングの分類によって高水準消毒しますという事は、
ウオッシャーディスインフェクターだけ処理して、
オートクレーブは省きますと言っているのに等しいのではないでしょうか。

●優先は

アルパーク歯科では、優先は、スタンダードプリコーションです。
全ての滅菌できる医療器具は、滅菌します。

消毒は、マイクロスコープのレンズカバーだけです。
これは、患者さんに触れることはないものだからです。

アルパーク歯科がハンドピースを滅菌できるのは患者数を絞っているから

アルパーク歯科は、自由診療専門(自費専門)の歯医者で、
1日の患者数を、1~4名に絞っています。
通常は、患者さん一人の治療時間は4時間から8時間。
ハンドピースは、日に1~2本あれば済みます。
高価なハンドピースを大量に買う必要もないし、滅菌の手間もかかりませんから、
ハンドピースを必ず滅菌できます

アルパーク歯科では、ヘルペスウイルスより滅菌しにくいプリオンに照準を合わせています。
ウオッシャーディスインフェクターでアルカリの洗浄液で80度10分洗浄し、
クラスBという一番良いオートクレーブで滅菌します。
その時、一番効果の高い滅菌条件、プリオンモードで滅菌しています。

プリオンモードとは、
狂牛病、ヤコブ病の原因になるプリオン蛋白が滅菌できる、滅菌条件です。

ウイルス感染者の率

ヘルペスウイルスは成人の約半数が感染し、残り半数は未感染。
20歳代に40%程度の抗体保有者(既感染者)が、60歳代には80%になるくらい、ドンドン感染が進んでいくのです。

肝炎ウイルスは約30人に1人が既感染者です。

ヘルペスウイルスの感染力

感染力が強く、歯科では、唾液や、口唇の病変部にウイルスが出ています。
無症候の方(感染していても症状が出ていない方)でも、唾液中にウイルスが出ているようです。

歯科は、滅菌がちゃんとできている歯医者を選びましょう。

でないと、ヘルペスだけでなく、B型肝炎、C型肝炎、エイズ、虫歯菌、歯周病菌なども、感染してしまうかもしれません。
歯医者のハンドピース、70%の歯医者が滅菌していないという、歯医者さん自身の告白が、過去あったのですから。(2014年 国立感染症研究所の調査)

この記事を書いた人亀田浩司

医)アルパーク歯科・矯正・栄養クリニック 理事長

自由診療専門歴約20年の歯科医。

矯正をして、自分が変わりたいと思っている人のサポートをしたいと思っている。

長崎大学歯学部卒業、広島大学歯学部付属病院をへて、アルパーク歯科開業。
より良い治療のため、自由診療専門に変更し、歯科医5人まで拡大。

その後、個人を大切にする内容に変え、現在、患者数1日2人にしている。

一般的な歯科治療に満足できない患者さんが来院している。

一般歯科の目標 「あなたもできる20年虫歯なし」
矯正歯科の目標 「歯並びも、人生も、良くなる矯正」

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