歯石取り 意味ないとき
歯石取りが意味ないときは、極端に言うと、①やり過ぎのとき、②しなくて良いとき、③他を改善した方がいいときなどです。
やり過ぎのとき
害
手用スケーラーの画像
上の様な手用スケーラーなどで、歯石取りをやり過ぎると、歯が削れ、意味がないどころか、害になります。
歯石取りで、歯が削れる様子です。(Youtube 16秒)
- 歯がしみる
- 歯の歯頸部(歯茎の付近)が細くなる
などが起きます。
●歯がしみるのは、そのうち、しみなくなります。
唾液中の蛋白や石灰分が沈着して、象牙細管を閉鎖するからです。
また、ひどく歯がしみるときには、知覚過敏防止剤を塗ることもできます。
●歯の歯頸部が細くなるのは、削り過ぎで、戻りません。
対策
●結論
超音波スケーラーの画像
やり過ぎの対策は、
上の様な、超音波スケーラーの刃のないチップで、できるだけ弱く使う事です。
コツは、
- 刃があるチップを避ける
- できるだけ弱い出力で使う
- 同じ場所で止まらない、常に動かす
- 押し付けないで、軽く当てる
などで、歯根へのダメージが最小限になるようにします。
●歯が削れやすいスケーラー
- 刃があるタイプ(手用スケーラー・超音波スケーラー)
- 刃がないタイプ(超音波スケーラー)
手用スケーラーの画像
上が、歯が削れる、手用スケーラーの刃です。
手用スケーラーは、刃が付いているものしかありませんから、
アルパーク歯科では、手用スケーラーはほとんど使いません。
手では、超音波の微振動ができませんから、
かんなの様に、表面を削り取る事になります。
●刃がない超音波スケーラー
刃がないチップは、丸い棒が振動しているだけですから、弱い振動では削れず、強い振動では歯が削れます。
以上の様に、歯石取りで、歯を削らないためには、
超音波スケーラーを使う場合は、丸い棒タイプのチップを使い、強すぎない強さで使う事になります。
しなくて良いとき
歯石がないのに、歯石を取るとき
必要がないのに、手用スケーラーや、超音波スケーラーを歯に当てると、歯が削れる事を考えるとき、
歯石がないときにも、漫然とスケーラーを使うのは良くないことは、すでにお気づきでしょう。
メンテナンスで、毎回、歯石を取るとき
●歯石除去は、やり過ぎると、歯が削れますから、
歯石が付いていたら除去する程度で、良いかもしれません。
歯のメンテナンスは、多くの歯医者さんでは、3か月ごとの事が多いのではないでしょうか。
当院も、3か月ごとのメンテナンスをしています。
歯周病の方は、1か月だったりします。
毎月、歯石がたまっているという事は、ほとんどありません。
長期であっても、歯石が沈着しない方もおられます。
ですから、
歯石が沈着してから、沈着が大量でない間に、除去するので良いのではないでしょうか。
●逆に、プラークは、毎回のメンテナンスで、積極的に落としたいものです。
よくお手入れできている方でも、歯磨きが苦手な場所があります。
残っているプラークを、歯医者で除去するのは、とても大切なことですし、
残っていることを、患者さんにお伝えし、歯磨きの練習をすることも、大切なことです。
対処法
毎回のメンテナンスで歯石を取ると言われたら、
取らないといけないほどの量の歯石が、本当についているのか見せてもらう事もできます。
歯が削れるという懸念を伝え、
エアフローによるプラーク除去にどどめてもらったり、
超音波スケーラーを使うなら、歯のついていないチップで、弱い力でやってもらうのも、良い方法でしょう。
クリーニングを歯石取りと呼んでいるとき
歯のクリーニングと、歯石取りは、区別することができます。
●歯石を取るときは、
歯石除去、着色の除去、プラークの除去を合わせた物として、総称しているのでしょう。
●歯のクリーニングは、
アルパーク歯科では、
着色を取る・プラークを取る・研磨することと思っていますから、スケーラーを使わないことが多いです。
歯石を取るとは、
歯についている歯石を取り、研磨することですから、スケーラーを使います。
対処法
歯のクリーニングでは、スケーラーではなく、歯医者のエアフローという機械で、クリーニング(= プラークや着色を落とす)してもらいましょう。
他を改善した方がいいとき
歯石だけ取り、歯磨きが不十分なとき
歯を長持ちさせるには、プラークコントロール、歯ぎしりから歯を守る、体質改善、の3つが大切と、アルパーク歯科では思っています。
ですから、歯石取りだけで、歯周病などが治療できるとは思いません。
その状況で、歯石取りより大切なことがあるときは、その大切なことを優先した方が良いのではないでしょうか。
歯石がつきやすい体質を改善しないとき
歯石が付きやすい体質というのは、確かにあります。
栄養学では、体内の石灰化は、単純化するとカルシウム過多、マグネシウム不足と言われています。
まず、積極的に、マグネシウムの摂取をやってみることもできます。
いつまでも、歯石が付くからといって、歯石取りばかりやっていてもきりがありませんよね。
この記事を書いた人亀田浩司
医)アルパーク歯科・矯正・栄養クリニック 理事長
自由診療専門歴約20年の歯科医。
矯正をして、自分が変わりたいと思っている人のサポートをしたいと思っている。
長崎大学歯学部卒業、広島大学歯学部付属病院をへて、アルパーク歯科開業。
より良い治療のため、自由診療専門に変更し、歯科医5人まで拡大。
その後、個人を大切にする内容に変え、現在、患者数1日2人にしている。
一般的な歯科治療に満足できない患者さんが来院している。
一般歯科の目標 「あなたもできる20年虫歯なし」
矯正歯科の目標 「歯並びも、人生も、良くなる矯正」
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